バドミントンにおいて、ラケットはプレーヤーの「手」と同じ役割を果たすといっていい。
そのラケットのなかでも「グリップ」は、選手によってテープの素材や巻き方が異なり、
独自性が出やすい部分だ。ここでは、トップ選手のグリップへの「こだわり」に迫る。
さとう・さやか◎1991年3月29日生まれ、宮城県出身。仙台第一中―常盤木学園―日体大を経て、ヨネックスへ。171cm、左利き、O型。12年ロンドン五輪で試合中に左ヒザを負傷し、途中棄権を余儀なくされたが、長期リハビリを経て徐々に復調。15年ランキングサーキット、全日本社会人で優勝、全日本総合でも準優勝を収め、再び第一線で活躍を続けている。
「グリップの色はラケットに合わせて、ピンクです」
――グリップにこだわりはありますか?
それが、あまりないんです(笑)。テープの巻き方も適当で…。でも、滑らないように、グリップエンドは太くしています。自分、手汗がすごいので。高校生のときかな、練習中にスマッシュを打ったら、そのままスパーンと抜けたことがあって、チームメートに当たりそうになったんです(笑)。そのときは太くしていませんでした。
――テープはいつもウエットタイプを使っているのですか。
タオルグリップも試したことはあるんですけど、違和感があったので、最終的にウエットになりました。色は基本、ピンクですね。いまのラケットに合わせてという感じです。ただ、白は汚れが目立つので使っていません。

――ラケットはいま何を使っていますか?
ヨネックスの『ARC SAVER(アークセイバー)11』です。去年の夏くらいに替えて、半年くらいでしょうか。ようやくしっくりきました。その前は『VOLTRIC(ボルトリック)80』(ヨネックス)を使っていました。

――グリップにこだわりがないということですが、テープはきれいに巻かれていると思います。
とりあえず、テープの最後はここ(グリップとシャフトの連結部分)にもってきたいです。ここにぴったりくるように、もともとあるグリップは全部とってアンダーラップを巻き、その上にグリップテープを巻いています。
以前は、これ以上にすごく細かったんです。細いほうがいいと思っていて…。でも、細すぎてグリップの持ち替えがあまりうまくできなくて(苦笑)。それをコーチに指摘されて、それから少し太くするようにしました。いまはこのくらいがしっくりきますね。


――張り替えのタイミングは?
とくに決めていないんです(笑)。前までは、「少し汚れが目立つかな」と思ったときに替えていたんですが、最近まわりの人に聞くようになって。今別府(香里)さんは試合ごとに張り替えていて、そのほかの人も1週間とか、1カ月以内には替えるといっていて。そこからは、結構頻繁に替えるようになりました(笑)。
ゲン担ぎのように、悪い試合があったらすぐ貼り替える人もいるみたいですが、そういうのは全然なくて、思いついたときに替える感じですね。
――グリップにすごくこだわっている人もいますが、そこまでではない?
そうですね。自分は結構、適当なので(笑)。そこまでこだわりはないですね。