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【グッズ情報】オリンピック使用球はこうして作られる!〜ヨネックス「トーナメント」の製造現場に潜入!

8月に開催されるリオデジャネイロ五輪。5月31日に各国の出場選手が決まっているが、これまでバドミントン競技が実施されたすべてのオリンピックに“出場”している「猛者」がいる。ヨネックスのシャトル「TOURNAMENT(トーナメント)」だ。公開競技だった88年ソウル大会を含めると、リオ五輪で8大会連続での採用となる。

BWF(世界バドミントン連盟)の公式球でもあり、ヨネックスのシャトルのなかでも唯一の日本製である、この「トーナメント」の製造・検査の現場を取材。森敏昭・東京工場長にお話をうかがった。

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部 協力/ヨネックス株式会社 写真/佐々木譲

(※本稿は『バドミントン・マガジン』4月号に掲載されたものから抜粋、再構成したものです)

 

 

トーナメント(1ダース)

日本製/5,350円+税

日本バドミントン協会第1種検定合格球

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「個体差の小さい」のが最大の特長

 

なぜ「トーナメント」がオリンピックで使用され続けているのか――。最大の理由は、「シャトル一つひとつの『個体差』が非常に小さいこと」だと森工場長はいう。

「トーナメント」に使われる羽根とコルクは、どちらも天然のもの。とくに羽根は、ヒトの手の指と同じように、それぞれ長さや太さ、骨格などが少しずつ異なる。しかも1羽のガチョウから「トーナメント」に使える羽根は、片方の翼からわずか2枚だけ。個体差がある膨大な数の羽根から16枚が厳選され、シャトルになる。

一つのシャトルの品質がよくても、全体をチェックしたときに品質にばらつきがあれば、よいシャトルとはいえない。100個なら100個、1000個なら1000個がほぼ同じ飛行性能でなければいけないのだ。

 

 

「トーナメント」などを製造しているヨネックス東京工場

品質の均一化を可能にしているのが、「人」の力だ。機械に頼る工程も多くあるが、何より人間の“目”や“手”が欠かせない。「シャトルは人工物ではありませんが、人工物でもあるんです」と森工場長はいう。補足するなら、素材の点では人工物ではないが、製造・検査の工程から見れば立派な人工物だということだろう。

「トーナメント」の製造・検査にあたるのは、いずれも工場内で長くキャリアを積んだ職人たち。ヨネックス唯一の「Made in Japan」のシャトルには、日本人のプライドが惜しみなく注ぎ込まれている。ちなみに、工場の職員の多くは、工場内のバドミントン・コートでプレーを楽しんでいる。競技への純粋な思いもまた、シャトル作りに注がれているようだ。

さかのぼること、35年。当時の国際バドミントン連盟公式球として1981年の全英選手権、トマス杯&ユーバー杯で「トーナメント」は“デビュー”を果たした。そこで世界のトッププレーヤーや関係者の信頼をつかんだことが、88年ソウル・オリンピック(公開競技)での採用につながった。以降も、ラケットやストリングといった用具の劇的な進化にあわせて、シャトル作りの技術にも改良を重ね、当時と変わらぬ信頼をいまも勝ち得ている。

そんな、“シャトル界のレジェンド”ともいえる「トーナメント」ができるまでを紹介しよう。

 

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