3月11日に開催された全英OP(バーミンガム・SSP)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは、男女ダブルス、混合ダブルスの戦況を紹介しよう。
【男子ダブルス】
イギリスの空気は、早川賢一/遠藤大由によっぽどマッチするのだろう。伝統と歴史のある大会で、早川/遠藤が4年連続となる準決勝進出を決めた。2人はこれまで全英OP準優勝2回(13、14年)の好成績も残しており、この舞台ではめっぽう強い。スーパーシリーズプレミアで、各国の選手が本気で優勝をねらっているのにも関わらず、だ。それだけに今回のチャンスを是が非でもつかみたいところ。準決勝の対戦相手はマレーシアのゴーVS/タンWK。対戦成績は1勝1敗だが、バーミンガムでの経験値は日本ペアの追い風となるはず。ここを勝てば、柳延星/李龍大(韓国)とイワノフ/ソゾノフ(ロシア)の勝者と決勝で対峙する。いまだSS優勝がない早川/遠藤だが、このビッグチャンスを手にすることができるか。初優勝は目前に迫っている。
【女子ダブルス】
準決勝に勝ち進んだのは駱贏/駱羽、於洋/唐淵渟(ともに中国)、デンマークのリターユール/ペデルセン(デンマーク)、日本の髙橋礼華/松友美佐紀だ。どのペアもSS優勝経験のある強者ばかり。それだけに、準決勝はハイレベルな試合が繰り広げられそうだ。
髙橋/松友は1・2回戦を快勝すると、準々決勝で田卿/趙蕓蕾と対戦。この中国ペアはロンドン五輪金メダル、15年世界選手権を制覇している強豪だが、第1ゲームは髙橋/松友が6点に抑えて先制パンチ。第2ゲームは逆に中国ペアのカウンターをくらったが、迎えたファイナルゲームは互いに譲らぬ接戦となった。中盤まで拮抗した戦いは、最後に髙橋/松友が連続得点などでリードを広げて逃げ切った。
髙橋/松友のSS準決勝進出は、昨年12月の中国OP2位以来(※)。準決勝の相手は中国ツインズの駱贏/駱羽で、ねばり強さが持ち味だ。対戦成績はタカマツの5勝2敗と相性もよいだけに、ここで勝ち星をつかんで決勝に勝ち進みたいところだ。
※SSファイナルを除く
【混合ダブルス】
欧州選手が得意とする混合ダブルスの準決勝には、デンマークのニールセン/ペデルセン、地元イングランドのC・アドコック/G・アドコックが勝ち残った。残りの2組は世界ランク1位の張楠/趙蕓蕾(中国)と、インドネシアのヨルダン/スサントが進出している。決勝の舞台をかけて、欧州同士、アジア同士がそれぞれ準決勝で激突する。
注目なのはイングランドのアドコック夫妻だ。同国の混合ダブルスといえば、アテネ五輪で銀メダルを獲得したロバートソン/エムズが有名だが、それ以降、イングランドは他の種目も合わせて目立った選手が不在。しかし、近況はアドコック夫妻がSSで上位に入る機会も増え、他種目でもリオ五輪出場圏内に入る選手が出てきている。地元で優勝を飾れば、05年優勝のロバートソン/エムズ以来となる快挙。デンマークペアとの戦いは一筋縄ではいかないが、勝利後にみせる派手なパフォーマンスも含めて、地元のイングランドペアに注目したい。