突然ですが皆さん、ラケットのグリップはタオル派? ウェット派? どちらもそれぞれよさがありますが、ここではトップ選手や競技志向の高い選手に支持されているタオルグリップの特長に迫ります。
なかでも、老舗ブランドであるヨネックスのタオルグリップは、40年以上にわたって改良を加えながら発売されているロングセラー。同社製品を使用するトップ選手と開発担当者に聞きました(協力/ヨネックス株式会社)。
Part1 世界ランカーが語る タオルグリップを使う理由
ヨネックスのタオルグリップを使用する国内外のトップ選手6人に、そのタオルグリップを使う理由や使用感などを聞きました(世界ランクは16年1月14日現在)。
◇桃田賢斗(NTT東日本) 男子シングルス 世界ランク3位
手の跡がついて持ちやすい
「タオルグリップのほうが、基本的にプレーしやすいです。最初に使ったのは……いつか覚えていないんですが、高校のときには使っていたと思います。ただ、絶対にタオルグリップじゃなきゃダメというわけではありません。ラケットによって、フィーリングで(タオルかウェットのどちらかを)決めています。いまはずっとタオルを使っています。
タオルのよさは、持っていると手の跡が残るんですね。フォアでもバックでもいつも同じところを握っているので、(手の跡がついて)持ちやすくて、感覚も残っている感じがするんです。ただ、張り替えのタイミングもフィーリングです。使っていて『外れだな』と思ったら変えますし、しばらくフィーリングがよくても、プレーが安定しなかったら変えてしまうこともあります(苦笑)」
※桃田選手のグリップのこだわりは こちら
◇遠藤大由(日本ユニシス・右) 男子ダブルス 世界ランク6位
指や手のひらにフィットする
「タオルグリップは、自分のなかでは“滑らない”感覚があります。それに使えば使うほど自分の手の感じになじんで、握りやすくなってきます。ウェットに比べると、指や手のひらにフィットする感覚がいいですね。あとは、見た目が強そう、というのがあります(笑)。
一時期、タオルからウェットグリップに変えたことはありましたが、それからまたタオルに戻して4年ぐらいでしょうか。色は、“マスト”で白ですね。理由はとくになくて、なんとなく白がいいんです。
テープは、だいたい日本代表の合宿中に巻き替えておきます。そして試合をして、負けたらまた巻き替えます。だから優勝しない限り、長い期間ずっと使い続けることはないですね(苦笑)。『ある程度、使い込んだほうがいい』という人もいますが、そういうのはあまり気にしないので、短期間で巻き替えても大丈夫です」
◇ヤン・O・ヨルゲンセン(デンマーク) 男子シングルス 世界ランク2位
「タオルグリップを使っているのは、長時間の試合で、握った感触と心地よさが一番だからです。ヨネックスのタオルグリップは“MADE IN JAPAN”で、一番いいグリップだと思います。『ヨネックス=高品質』であることはみんなが知っていますから。テープは頻繁に交換しています。新しいグリップに、ヨネックスのグリップパウダーをつけて使ったときの感触が好きで、これが自分のなかではベストマッチですね。テープ自体は、少し短めに巻いています。グリップエンドに届いたら、巻くのをやめています」
◇林丹(中国) 男子シングルス 世界ランク4位
「触った感触が心地よく、汗をよく吸ってくれるので、タオルグリップを使っています。ヨネックスのグリップは他の製品と比較してもさらに心地よく、長持ちして耐久性も高いと思っています。貼り替えのタイミングはとくに決まっていませんが、タオルの心地よさがなくなったときや、擦り切れたときに交換しています」
◇ビクター・アクセルセン(デンマーク)男子シングルス 世界ランク6位
「タオルグリップのよさは、とくに暑い中でプレーするとき、(打球の)コントロールを維持するのに素晴らしい助けとなるからです。ヨネックスのグリップは吸水性が高く、握った際の感触もいいですね。この点で、他のグリップとの差を感じています。グリップの巻き方は、トップまで長めに巻くのが好きです。グリップエンドは握りやすいように太めに巻いています」
◇マシアス・ボー(デンマーク)男子ダブルス 世界ランク4位
「タオルグリップを使っているのは、自分はプレー中にたくさん汗をかくからです。吸水性のあるタオルグリップしか使えないですね。これまでも、ヨネックスの日本製グリップだけを使っています。理由は単純で、これが一番いいから。テープは、練習のたびに交換していますね。巻くときは、ラケットを落とさないように、グリップエンドが太くなるようにしています」
※海外4選手のグリップ拡大写真はプレー写真と異なる日に撮影しているため、グリップのカラーが異なっている場合があります
Part2は>>> こちら