12月9日から13日まで開催されたスーパーシリーズファイナル(UAE・ドバイ)が終了し、海外トップ選手が出場する年内のビッグトーナメントはすべて消化された。ここでは10月から12月までのSSを振り返りながら、女子ダブルスの状況などを紹介しよう。
女子ダブルス世界ランキングは こちら
女子ダブルスは五輪レース開始前後で中国、韓国などがペアの組み替えを行なった。そのため、SS上位に入ったペアでも元々のポイントが低く、実力通りに世界ランクの上位にライナップされない状況が続いていた。しかし、レースも半分が消化し、中国を除いた各国で女子ダブルスのペアが確定。これにより、世界ランクの上位陣もある程度固まっている。
現在、世界ランクのトップに立つのは駱贏/駱羽(中国)。これまで髙橋礼華/松友美佐紀がその座を守り続けていたが、駱贏/駱羽が10月以降でフランスOP2位、SSファイナル優勝の高ポイントを獲得したことで、栄えあるランク1位をゲットした。双子らしいコンビネーションを武器に各大会で上位に食い込んでおり、安定感のある戦いぶりが目立った。
2位には上位常連のリターユール/ペデルセン(デンマーク)が入っている。秋以降のSS4戦では8強3回に留まったのの、12月のSSファイナルで準優勝の高成績を残してランク上位をキープした。2015年はSSでの優勝はないものの、世界選手権、SSファイナルで銀メダルを獲得するなど、勝負所できっちり結果出すあたりはさすが百戦錬磨のベテランペアだ。
3位にはインドネシアのマヘスワリ/ポリイが続く。2014年のアジア大会制覇を皮切りに、SSでも安定して上位に勝ち進むようになってきた。今年8月の世界選手権で銅メダルを獲得。秋以降もフランス、香港OPで4強に入り、SSファイナルでも準決勝に進出した。テンポよく攻撃を仕掛けていく2人の勢いは、来年以降も続きそうだ。
3ペアに追い越される形になったのが、日本のエース・髙橋/松友だ。夏以降、好リズムがつかめず低空飛行が続いた2人は、ヨネックスOPジャパン(9月)で松友がネンザするアクシデントもあり、10月の欧州2連戦で16強止まりの苦しい結果に。しかし、中国OPで久々にSS準優勝を飾ると、直後の香港OPでも8強をキープ。そして12月のSSファイナルでは、予選リーグを突破して4強に入った。本来の力強さを取り戻してきた日本のエースだが、その巻き返しに期待したいところだ。
韓国2トップが上位にランクイン
韓国の2ペアがついに上位に浮上してきた。韓国は8月の世界選手権まで主に組んでいた張藝娜/鄭景銀、李紹希/申昇瓚のペアを解消させ、ヨネックスOPジャパン(9月)から張藝娜/李紹希、鄭景銀/申昇瓚の新生ペアで始動。これがピタリとはまり、現在の世界ランキングでは張藝娜/李紹希が5位、鄭景銀/申昇瓚が6位まで上がってきた。ダブルスをお家芸とする韓国が本領を発揮しており、今後のスーパーシリーズ戦線も賑わす存在となりそうだ。
中国は世界ランク1位の駱贏/駱羽が奮闘しているものの、これに続くのが馬晋/唐淵渟(7位)、田卿/趙蕓蕾(10位・世界選手権優勝)の2ペアとなっている。これまで同種目で多くのタイトルを獲得してきた中国だが、昔ほどの爆発的な勢いが収まりつつある傾向だ。
さらに追い打ちをかけるように、右肘のケガで長期離脱を余儀なくされた王暁理が代表を辞退。世界最強といわれた於洋/王暁理の復活を待ちわびていた中国だったが、これにより於洋のペア探しが急務に。中国OPで髙橋/松友を決勝で破ったときのペアだった唐淵渟がその第一候補となりそうだが、確定させるには唐淵渟の経験不足が懸念の一つとなりそう。人材豊富な最強中国は、ここにきてチーム戦略のメドがはっきりしない現状が浮き彫りになっている。
熾烈な争いが続く日本の女子ダブルス
日本の女子ダブルス事情を見ると、世界ランク4位のタカマツに続くのが、五輪圏内の8位に位置する福万尚子/與猶くるみだ。今年からSSを回り始めた2人だが、最近ではSS前半戦での遅れを取り戻す活躍ぶり。8月の世界選手権で3位に入って以降は再び低迷する時期もあったが、11月の香港OPで3位入賞の結果を残した。さらに前田美順/垣岩令佳(12位)の先輩ペアがSSファイナルをキケンしたことで、福万/與猶がファイナル初出場も果たしている。結果は予選リーグ敗退となったが、これでSSプレミア8強と同じ6050Pも手にした。現在9位のムスケン/ピキ(オランダ)には約100P差と安心した状況ではないが、ここからの堅実に上積みして上位をキープしたいところだ。
また、ケガの影響もありランクダウンとなった前田/垣岩のすぐ後ろには、松尾静香/内藤真実(13位)が迫っている。こちらはGPG、GPなどで地道にポイントを重ねてランキングを上げてきた。4年前のロンドン五輪出場を逃した悔しさを胸に一発逆転をねらう2人は、日本の女子ダブルスの熾烈な争いをさらに盛り上げる存在となりそう。