9月9日に開催されたヨネックスOPジャパン(東京体育館・SS)2日目は、各種目1回戦が行なわれた。ここでは、注目カードをピックアップし、各選手の試合後のコメントを紹介しよう。
【女子シングルス】
川上紗恵奈●0〔18-21、18-21〕②王適嫻(中国)48分
初日予選で富岡高の先輩である大堀彩(NTT東日本)を破った高校3年生の川上。本戦1回戦は世界ランキング7位の王適嫻(中国)と対戦すると、世界ランカーの力強いラリーにも対応、好ラリーを展開。試合は18本、18本で敗れはしたものの、国内の大きな国際トーナメントで自分の力を発揮できたことに手応えをつかんだ。
「初日の予選で大堀彩先輩(NTT東日本)に勝ちましたが、満足せずに今日の試合に入れました。王適嫻選手(中国)との試合は、ドローを見たときから楽しみにしていました。
実際のラリーでは自分が負けている感じはしなかったし、簡単なミスはしたけど、とくにクリアーでは負けていなかったと思います。ただ、球やタッチのスピードが、世界のトップ選手は違うなと感じたので、これからもっと経験を積んでいければと思います。
初めてヨネックスOPジャパンを観た小学生のとき、選手たちのプレーはもちろんすごかったのですが、マナーや礼儀が素晴らしい選手がいて、そういう部分を含めてこれが“一流”なんだと感じました。だから私も、そういう人間的な部分を大事にして、これからも観てくださる人に勇気や感動を届けられる選手になりたいです」
山口茜②〔21-18、21-12〕0●成池鉉(韓国)39分
世界選手権3位の成池鉉(韓国)と対戦。第1ゲームの接戦を先に山口が抜け出すと、第2ゲームも風に対応できない成池鉉のミスを誘って点数を積み重ねる。後半は危なげない試合運びで主導権を握り、12本で抑えて2回戦に進出した。
「相手(成池鉉)が空調の風にうまく対応できず、自分はうまく利用できたのが勝ちにつながったと思います。相手は長身選手なので、上からのショットに角度があって取りづらいのですが、ヤマを張ってみたり、(上から)打たせない球を打つことで自分のリズムがつくれました。いままで競り負けることが多かったので、とくに1ゲーム目、競ったなかで勝てたことは自信になります。
成池鉉選手にはこれまで3敗していましたが、中国の李雪芮選手にも4度目の試合で勝てたので、今日も“4度目の正直”というのが自分のなかにあったと思います(笑)。次も一戦ずつ、できるだけ多く試合ができるように頑張りたいです!」
三谷美菜津②〔21-13、17-21、21-11〕0●シンデュ・P.V.(インド)60分
三谷は8月の世界選手権で世界ランク4位の李雪芮(中国)に打ち勝ったシンデュ・P.V.(インド)と対戦。風に苦しむ相手のミスを見逃さず、1ゲームは攻撃を仕掛けて先制。しかし、2ゲーム目は要所で我慢し切れずに取りこぼし、勝負はファイナルGに突入した。すると、三谷がこれまで以上にねばり強くラリーを展開すると、しびれを切らした相手がアウトミスを連発。そのまま逃げ切った三谷が強敵を破り1回戦を突破した。
「世界選手権で初戦負けをして、最近なかなか勝てない状態が続いていて…。どこかでいい流れが来ないと(五輪レースは)厳しいと思っていました。今回は日本開催なので、1つでも多く勝つことを目標にしていました。シンドゥ(インド)には負け越していたのですが、今回は最初からスピードを上げて先に仕掛けることができたのが勝因。最近はファイナルGにいくと足が止まることが多かったので、今日は『止めたくない』という気持ちで戦い抜きました。
日本のほかの女子シングルスは、SSでベスト4やベスト8に入ったり、GPGで優勝したりしています。私は最近、成績を残せていないですが、落ち込んでいる場合じゃないので、『やるしかない』『悔いが残らないようにしよう』と思いながらプレーしています。中国の優勝が絶対ではなくなっているので、自分も他国の選手に続いて格上に勝てるようにしていきたいです」