山口茜の挑戦⑤「パートナーに助けてもらった」京都インターハイ 3日目Review

大会3日目の8月9日、西山公園体育館、向日市民体育館、山城総合運動公園体育館にて男女ダブルスの1回戦から準々決勝までが行なわれた。

 

第1シードの山口茜/鈴木咲貴(勝山・福井)の戦いの舞台は、メイン会場である西山公園体育館。初戦から準々決勝までを見事に勝ち抜き、2年連続のベスト4入りを決めた。

 

◆山口&鈴木 結果

2回戦▶○21-13、21-13小野萌香/守谷仁見(山形市立商・山形)

3回戦▶○21-14、21-13内田有香/瀬下瑠花(甲斐清和・山梨)

4回戦▶○21-19、19-21、21-14石上加奈子/横山恵里香(園田学園・兵庫)

準々決勝▶○21-18、15-21、21-14清水一希/小原凛々子(聖ウルスラ学院英智・宮城)

 

 

4回戦&準々決勝はミスで波に乗れず

 

山口のサービスが幾度もネットにかかる。鈴木のレシーブやクリアーがアウトになる――。

流れに乗りたい場面で乗りきれなかったのが、4回戦と準々決勝でファイナルゲームまでもつれた原因。2年連続で準決勝進出を決めながらも、「納得のいくベスト4入りではない」と2人は唇を噛んだ。

 

それでも勝ち抜けたのは、2人らしい、いい意味での“脱力感”と“前向きさ”があったからだ。

4回戦は、3回戦で川上紗恵奈&仁平明花(富岡ふたば未来学園・福島)を2-1で下し勢いのある石上/横山(園田学園)が相手。第1ゲームは競り合いながらも19本で抑えたが、第2ゲームは16-13から逆転を許す。ファイナルゲームは序盤で山口のサービスミスはあったものの、繊細で上質なフェイントショットで相手の足を止めるなどし、焦りのない落ち着いたプレーで主導権を握った。

 

準々決勝は、名門・聖ウルスラ学院英智の清水/小原が相手。4回戦と同様に第1ゲームは先制したものの、第2ゲームは鈴木のミスがやや増えたか。それでも、大量連続失点がないところが2人の強さだろう。山口なら、調子が悪くてミスをしてしまうときは弱気になるのではなく、積極的に仕掛ける。仕掛けてのミスなら、精神的なダメージも少ない。また鈴木いわく、「私たちはガチガチに気合を入れてプレーするとダメになるので、“楽にいこう”というタイプなんです。楽しくなければ意味がないので、試合中も笑って楽しめるようにしています。今日はファイナルゲームになっても、実力が変わらない相手ならファイナルするのはいつも通りのことなので(苦笑)、焦らずにできました」。

 

こういった”力み”のない2人の自然体なプレーが、ミスの多さを補った。

 

最終日の11日こそは、納得のいくプレーを、そして“楽しむ”ことをめざす。

 

 

山口コメント

「結果的にはベスト4に入れてよかったですが、内容的には自分のミスが多くて…パートナーに助けてもらいました。いつもだったら自分のサービスから崩す形がベストなのですが、サービスが入らなかったです…。選抜で優勝したときは、サービスがよかったんです。

 

自分がミスしたときは、パートナーは勝負所で「一本!」って声をかけてくれました。状況が逆の場合は…自分は基本的に「ドンマイ」「ごめん」「うん」しかいわないです(笑)。

 

団体戦から、気持ちを個人戦に切り替えられたと思います。選抜では優勝したけれど、どこが勝ってもおかしくない。だから、昨年のIH3位を超える、挑戦するつもりで最終日はやりたいです。今日まではどこかに『勝たないといけない』という思いがあったと思うので、最終日は“違う姿”を見せられると思います!」

4回戦、準々決勝では苦しみながらも勝利をものにしてベスト4進出を果たした
4回戦、準々決勝では苦しみながらも勝利をものにしてベスト4進出を果たした

 

 

投稿日:2015/08/10
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