こんにちは、編集部・有です。スタートして約2カ月半が経ちますが、ブログは今回でまだ2回目。当初から予想された「気まぐれ」の枕詞がしっくりくるブログとして定着しつつありますが、お付き合いのほど、よろしくお願いします。
さて今回は7月22日(水)に発売された、本誌8月号での取材を振り返りたいと思います。7月7日(火)、田児賢一選手のインタビュー取材のため、NTT東日本の練習拠点である千葉県市川市の体育館にお邪魔しました。
田児選手といえば、いわずと知れた日本のエース。昨年5月に行なわれたトマス杯では全6試合でトップシングルスを張り、諶龍(中国)、リー・チョンウェイ(マレーシア)らをはじめとする列強の猛者たちと凌ぎを削りました。日本男子史上初となる世界一に、間違いなく大貢献した選手です。
ですが、昨年の後半からなかなか結果が出ない日々が続いています。(昨年)6月のインドネシアOPで準優勝して以来、スーパーシリーズ(SS)では1~2回戦敗退が続き、今年6月のインドネシアOPで久しぶりのベスト8進出を果たしたものの、世界ランクは37位に後退しています(7月28日現在)。
そんな田児選手に、昨年の後半から現在までを振り返ってもらい、結果が出なかった日々の心境、現在の状況、リオ五輪への思いなどを存分に語ってもらいました。
インタビューは約50分。田児選手はこちらの質問に対して、いつもよどみなく言葉を紡いでくれますが、この日もまったく同じでした。話はときにシリアスなテーマに及びましたが「危険地帯」も顧みず、率直な思いを表現してくれたと思っています。
詳しい内容はぜひ本誌をご覧になっていただきたいのですが、不振(という言葉をここでは使わせていただきます)のきっかけは、先にも触れたトマス杯の存在。前々からトマス杯を非常に重視していた田児選手にとって、この大会で優勝したことが意外な形で影響を及ぼしていたようです。
今年6月のインドネシアOPにおいてSSで約1年ぶりに8強に名を連ね、いよいよ上昇気流に乗るのでは、と期待も込めて聞いてみましたが、本人はいたって冷静。「トンネル」からはまだ抜け出せていない、と客観的に自分を見つめていました。わかりやすいところでいえば、全体的なコンディションに関して充実していたときを「100」とすると、現在は「●●」。最悪な時期からは少しずつ脱しているとのことでしたが、まだまだ“余白”(という言葉をここでは使わせていただきます)は残っています。〔●●も本誌でチェックしてください〕
そして、これは私の勝手な印象ですが、復活のカギは、田児選手を支えるファンの方々が握っているかもしれないということ。インタビュー直前に行なわれていた全日本実業団選手権でのエピソードが、そう思わせてくれました。
「本当にバドミントンをするために生まれてきた人間なら、まだ終わらないと思う」。このインタビューでもっとも“刺さった”言葉です。校正作業では3人のスタッフが記事に目を通しましたが、三者三様の感想が出てきました。皆さんも、日本のエースの現在地を自分なりに確かめてみてください。