5月15日に行なわれたスディルマン杯(中国・東莞)6日目。第1グループ・決勝トーナメント準々決勝で、日本は欧州の雄・デンマークと激突。2−2で迎えた女子ダブルスで、髙橋礼華/松友美佐紀がデンマークペアをファイナルゲーム19本で下し、日本が初のメダルを確定させた。
ここでは日本の活躍を中心に紹介しよう。
■5月15日
第1グループ決勝トーナメント ダイジェスト
○日 本(B1位) 3−2 ●デンマーク(A2位)
日本が強敵・デンマークを3−2が打ち破り、見事スディルマン杯初のメダルを確定させた。
第1試合の混合ダブルスには数野健太/栗原文音が出場。「出だしでミスが多すぎた」と数野が振り返るように、日本ペアが1ゲームをあっさり9本で落としてしまう。2ゲーム目は数野/栗原がリズムを取り戻して21−16と奪い返したが、ファイナル勝負では9−9の接戦から先に抜け出したデンマークペアが押し切って勝利。日本は黒星スタートとなった。
第2試合は初日から2連勝中の男子シングルス・桃田賢斗が登場。相手は世界ランク上位のヤン・O・ヨルゲンセンだったが、当日突然の発熱によりドクターストップ。ヨルゲンセンに入れ替わり、桃田と同世代のビクター・アクセルセンが出場することになった。
試合は桃田のペースで動き、1ゲームを15本で奪取。2ゲーム目は「いまのコンディションではファイナルになったら足が持たない」と判断し、無理せずにプレー。その結果、2ゲームは落としたものの、3ゲームは残した足を生かして相手を翻弄し、最後は21−9で桃田が勝利を収めた。「最後までスタミナが持ってくれてよかった。戦術がはまった感じだし、納得できる勝利です」(桃田)
第3試合は女子シングルスに奥原希望が出場。ここは危なげなく勝ち星をひろい、メダルまであと一歩に迫る。しかし、ここで大きな落とし穴が−−。
男子ダブルスは予選リーグ1勝1敗の早川賢一/遠藤大由が登場。相手は本来のペアではなく、実力的には早川/遠藤が断然に有利かと思えた。だが、勝者ペアはデンマーク。意外にも早川/遠藤は19本15本のストレートで屈してしまった。「何とか自分たちで決めたいという思いが空回りした。相手が大きいことはわかっていたが、自分たちのペースに持ち込めなかった」(早川)。
この敗戦で最後の女子ダブルスに回り、勝った方が準決勝の権利を得ることに。日本は世界ランク1位の髙橋礼華/松友美佐紀がコートに立ったが、予想に反して出だしから大苦戦。相手はシングルスと混合ダブルスに出場した急造ペアだが、先に試合をこなした分、動きが冴えた。
一方の日本ペアは、緊張からか動きがチグハグに。「正直、私たちに回ってこないと思っていたのでこんな試合になってしまった。心も体も準備不足」とは髙橋。第1ゲームでは最大8点差のつく場面もあった。
ファイナルゲームも日本の圧勝かと思われたが、そこは欧州トップ国の意地とプライドがある。気持ちを切り替えたデンマークペアが髙橋/松友に攻撃的に襲いかかり、逆にタカマツは引いた展開で後手に回ってしまう。地力でなんとか持ちこたえるタカマツだったが、終盤になると金星をねらうデンマークペアも気を吐いて、なんと19−19の大接戦に。「最後の方はどんどん前に詰められた」とは松友だ。
負ければ今回もメダル無しという結果に終わる日本だが、勝負どころではタカマツの冷静なプレーが光った。攻め急ぐ相手のミスをうまく誘うと、最後は髙橋がスマッシュを打ち込み勝負あり。日本が辛くも勝利し、銅メダル以上を決めた。
試合後、朴柱奉日本代表監督は「厳しい戦いを乗り越えて、まずはメダルの目標は達成できた。韓国には交流戦でしか勝った記憶しかないが、頑張りたい」と次戦の大勝負に目を向けた。
なお、準決勝は日本時間16日の20時から韓国と対戦する。