【選手情報】ロンドン五輪女王・李雪芮が国際舞台からの引退を発表!

10月17日、世界バドミントン連盟は2012年ロンドン五輪女子シングルス金メダリストの李雪芮(リ・シュェルイ/中国)が、国際舞台の第一線から退くことを発表した。

李雪芮は当時19歳だった2010年にアジア選手権で優勝。同年、スーパーシリーズ(現ワールドツアー)のフランスOPでも準優勝の成績を残し、トップ選手の仲間入りを果たした。その後、2012年3月の全英OPを制すと、同年8月に開催されたロンドン五輪に出場。ライバルたちを次々と撃破した李雪芮は、そのまま頂点まで駆け上がり金メダルを手にしている。五輪後も女子シングルス界をけん引し、世界選手権でも2度の準優勝(13、14年)のほか、多くのタイトルを獲得した。

連覇をねらった2016年リオ五輪では準決勝まで勝ち上がったが、準決勝のキャロリーナ・マリーン(スペイン)戦で左ヒザ前十字じん帯を断裂(奥原希望との3位決定戦はキケン)。それでも、1年以上のリハビリ&トレーニングを経て18年4月に復帰すると、その年のユーバー杯に出場。Super300&100などの大会で優勝を飾り、復活を印象づけていた。しかし、S500などの上位大会では結果を出せず、後輩の陳雨菲(チェン・ユーフェイ)や何冰嬌(へ・ビンジャオ)なども世界のトップで活躍。2度目の五輪優勝をめざす女王にとっては、苦しい戦いが続いていた。

2019年は全英OP(S1000)ベスト8や、ニュージーランドOP(S300)準優勝などの結果を残していたが、夏以降は5大会連続で初戦負け。12位まで押し上げていた世界ランキングも、20位台に後退していた。9月の韓国OP(S500)では初戦で日本の髙橋沙也加と対戦するも、第2ゲームで途中キケン。直前までエントリーしていたデンマークOP(S750)も欠場となり、結局、韓国OPの戦いが元五輪女王のラストゲームとなった。

全盛期には174cmの高身長から鋭いスマッシュやカットを武器に白星を積み重ね、スーパーシリーズでの優勝は14回を数える。東京五輪での栄光をめざした李雪芮だったが、ケガからの完全復活はならず、夢半ばで静かにラケットを置いた。

2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得した李雪芮(中央)。中国対決となった決勝で先輩の王儀涵を下して栄光をつかみとった

文/バドミントン・マガジン編集部

写真/BADMINTONPHOTO

投稿日:2019/10/18
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