5月16日に開催された世界国・地域別対抗戦トマス杯・ユーバー杯(中国・昆山)2日目は、各予選リーグが行なわれた。ここではユーバー杯の日本戦ダイジェストを紹介しよう。
【日本戦ダイジェスト】
35年ぶりの優勝をめざす日本は、グループDの初戦でドイツと対戦。3月の全英OPを制した髙橋礼華/松友美佐紀、奥原希望を擁し“過去最強”との呼び声高い布陣で臨む日本は、大事な初戦を5−0で快勝して好スタートを切った。
先制したのは第1シングルスの奥原だ。序盤から正確なショットコントロールでラリーの主導権を握ると、わずか8本、11本で勝利。続く髙橋/松友も相手を寄せ付けず、世界ランク1位の実力を見せつけて2連勝。「上2つの流れに乗るだけだった」と、続いてコートに入ったのが第2シングルスの山口茜。力みのないプレーでシャトルを自在に操り、ストレート勝ちで早々と日本の勝利を確定させた。
勝利を決めても、日本は決して気を緩めることはなかった。第2ダブルスに登場した福万尚子/與猶くるみは、終始落ち着いたゲームメイクで白星をつかむと、最後は佐藤冴香が11本、15本で勝利。日本は1ゲームも失うことなく白星をあげ、優勝候補の実力を世界にあらためてアピールした。
試合前には、「頑張ろう熊本」とプリントされたTシャツを着て熊本にエールを送った日本代表。このTシャツを着たいと最初に志願した男子代表の嘉村健士(八代東高出身)は「いま自分たちがやれることは、バドミントンを通して復興を呼び掛けたり、結果を出して少しでもいいニュースを届けることだと思う。少しでも自分たちの気持ちが被災地に届くことを願って、円陣を組むときや応援のときに着たいと思いました」。
熊本県益城町にある再春館製薬所に所属する福万尚子は「Tシャツは、今日の男子が着ていたことをSNSで知り、泣いてしまいました。日本代表のみんなが、熊本のことを想ってくれているって…。私たちにできるのは、いいニュースを届けること。私たちだけでは勝てないので、日本代表の力を借りて頑張っていきたい」と決意を新たにした。
日本女子は17日(火・日本時間20時~)、オーストラリアと戦う。
▼試合結果 (グループD)
奥原希望②〔21−8、21−11〕0●ファビーネ・デプレ
「初戦がすごく大事だと思って入りました。シャトルを終始コントロールできていたと思います。2年前はケガで出場することができず、悔しかった。昨年のスディルマンに出ましたが、決勝は出られなかったので、今大会ではもう一度、自分がエースだということを証明したいです」
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21-13、21-3〕0●ハートリッチ/カッペリン
髙橋「あまり緊張するタイプではないのですが、スロースターターな部分はあるので、そういうところで1ゲーム目は少し競ってしまったと思います。2年前に決勝で負けて本当に悔しい思いをしているので、今年は本当に優勝に対する思いは強いです」
松友「奥原の試合が早すぎたので、準備不足があって硬くなってしまいました。でも、2ゲーム目は切り替えて、相手が見えたので勝てたと思います。今大会は優勝をめざしている。最後に笑って終わりたいです」
山口茜②〔21−10、21−14〕0●ルイズ・ヘイム
「少し緊張しましたが、動きも悪くなかったですし、楽しめました。エース2つが前にいるので、自分が引っ張るというよりは、力を借りて流れに乗りたい。日本は団結力があって、応援力はどこにも負けないと思います」
福万尚子/與猶くるみ②〔21−9、21−12〕●エフラー/カルノット
福万「勝ってチームに貢献できてよかったです。スディルマン杯に出られず悔しかったので、今回は団体戦に出ることができてうれしい。しっかり勝利をつなげていきたいです」
與猶「まずは勝ててよかったです。チームに貢献できるように、やり残すことがないように最後までプレーしたいと思っています。Tシャツがあるのは知らなかったので、すごくうれしかったです。日本や熊本にいい報告を届けたいです」
佐藤冴香②〔21−9、21−12〕0●Li Yvonne
佐藤「日本の勝利が決まっていたので、リラックスして試合に入れました。第3シングルスは2-2で回ってくることもあるので、とても大事。日本のために勝ち切りたい気持ちが強いです」