10月30日(月)、東京都内の日本財団ビルにおいて、「HEROs Sportsmanship for the future」(以下HEROs:ヒーローズ)のプロジェクト発表会が行なわれた。これはアスリートによる社会貢献活動を促進することを目的に日本財団が創設したもので、競技の枠を越えてアスリートが「日本財団HEROsアンバサダー」として集まり、社会貢献活動を広げていく取り組みだ。
発案者はサッカー元日本代表の中田英寿氏。「これまでアスリートの社会貢献活動は一人でやる場合が多かった。でも、一緒にやればもっと大きなことができるのではないかと。たくさんのスポーツ選手がいろいろな活動をしているけれども、その情報を得る場所、みんなが集まる場所があったらいいのでは、と思っていました」と、設立のきっかけを明かす。このプロジェクトが推進されることで、「社会貢献がつらいもの、何かを与えなければいけないもの、手伝わなければいけないものではなくて、自分たち(アスリート)が楽しんでやれるものになっていくのではないか。そういった力がスポーツにはあると思います」とも話した。
中田氏のほか、現役では佐藤琢磨(モータースポーツ)、村田諒大(ボクシング)、田臥勇太(バスケットボール)、引退組でも松井秀喜氏(野球)、井上康生氏(柔道)など、国内トップアスリートがアンバサダーとして参画。バドミントンからは2度のオリンピックに出場し、現在は世界バドミントン連盟アスリート委員などを務める池田信太郎氏が名を連ねている。その池田氏も活動への意気込みを次のように語った。
「私自身、これまで海外のチャリティー団体の活動にも参画しましたが、アスリートには競技以外でも非常に多様な価値を生む可能性が十分に秘められていると思います。バドミントン競技において自分が中心となり、引退したアスリートも含めて、なるべく多くの現役のアスリートが参画できるようなプログラム作りや、ここにいる皆さんといろいろな価値を創り出せるような活動を、今後していきたいと考えています」
プロジェクトでは今後、スポーツの未来を担う若いアスリートを対象にした「教育」、社会貢献活動を実施したい現役&引退アスリートを対象にした「実践」、スポーツの力を生かした社会貢献活動に対する「評価」の三つの事業を推進していくという。
◇日本財団HEROsアンバサダー(10月30日時点)
東俊介(ハンドボール)、池田信太郎(バドミントン)、井上康生(柔道)、上原大祐(パラアイスホッケー)、大林素子(バレーボール)、萩原智子(水泳)、奥野史子(シンクロナイズドスイミング)、河合純一(パラ水泳)、川澄奈穂美(サッカー)、佐藤琢磨(モータースポーツ)、白石康次郎(ヨット)、田臥勇太(バスケットボール)、長嶋万記(ボートレース)、根木慎志(車いすバスケットボール)、松井秀喜(野球)、松下浩二(卓球)、村田諒大(ボクシング)、山本隆弘(バレーボール)、中田英寿(サッカー) *敬称略(この日は5名が欠席)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部