年々バドミントンへの注目度が高まっている。2016年はリオデジャネイロ五輪のほか、トマス杯・ユーバー杯などビッグイベントが開催され、日本選手の活躍によってはさらにバドミントン熱がヒートアップすることは間違いない。
ここでは、バドミントンを長年見続けているライターの美郷茂樹氏に、男子シングルスで活躍が見込まれる選手を紹介してもらった。
【男子シングルス】
世界の桃田に注目!
今年の主役はなんといっても桃田賢斗(NTT東日本)。昨年、シンガポールOP(SS)、インドネシアOP(SSP)で優勝し、一気に世界のトップレベルに急成長。世界の[MOMOTA]として頭角を表した。その後、全日本総合で初優勝すると勢いにのり、スーパーシリーズファイナル優勝と、留まること知らない快進撃である。この想像を超える強さ、充実ぶりは素晴らしく、今年はどんな感動を与えてくれるのか楽しみでワクワクしてくる。
トマス杯2連覇、悲願のリオデジャネイロオリンピック優勝を現実にするために、まず4月までのオリンピック出場権獲得レースを大切に戦ってほしい。
次世代のエース、期待の星に渡辺勇大(富岡高校、4月から日本ユニシス)、奈良岡功大(浪岡中)をあげたい。渡辺はすでに高校生離れしたテクニックで久々にシングルス、ダブルス、そしてミックスもできるオールラウンドプレイヤー。今後、どの方向に向かうか気になる点だが、今年1年はすべて勉強のつもりで全力を尽くし、世界で戦うための基盤を固めてもらいたい。
奈良岡功大は多くのファンがその動向に注目している。その中でここまで順当に結果を残す活躍ぶりは、精神面が充実している証拠。中学3年となる今年は、「スーパーシリーズに出たい」と貪欲だ。どこまで伸びるのか興味が尽きない。
もうひとり、今はちょっと休憩しているのかもしれないが……田児賢一(NTT東日本)。全日本総合を体調不良で欠場しているが、やはり彼がいないのはすごく寂しい。これからはしっかり体調管理して、元気な姿をコートで披露してほしい。見ているだけで楽しいあのプレーが早く見たい。
文/美郷茂樹
■筆者profile
みさと・しげき◎1950年生まれ。高校からバドミントンを始め、社会人でもプレー。国内外トップレベルのバドミントンを、長きにわたって見続けるベテランジャーナリスト。